ウェブサイト制作"だけ"じゃない

中小企業支援のウェブマーケティングは結局なんでもぶつける総力戦に至るし、コンサル側が連鎖的な周辺業務に対応できなければ成果が遠のく

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泥臭い話である。 独立したマーケティング部門があるような企業の仕事をしたことがなく、一人親方から社員数名~数十名くらいの案件の経験しかないので、その条件下にありがちな制約や縛りプレイの中で動くことになる。 お話聞いてアドバイスしてあとはMAですわ、みたいなキラキラマーケティングなんてそこには存在しないのである。いや、実際どの規模でもそうだと思うよ。キラキラマーケティングなんてのはクライアントが持てる情報を制限し、そこにつけ込む情弱ビジネスなんじゃないかと思ってます。(※クライアント側の立場から考えてもコンサルタントやマーケターに丸投げするのは推奨しない。これで笑っちゃうくらいマーケター側がぬるい仕事で美味しい思いしている事例を観測しているので、これはこれでまた別記事で紹介しようと思う。) ただ、小規模になればなるほど前提として諸条件がシビアになる。その反面、予算規模が小さく未開拓な領域でのチャレンジという意味では気楽であるとも言えるかもしれない。気楽と言うか、やるべきことをちゃんとやれば改善効果を実感できる可能性が高く、その手応えをダイレクトに感じやすいのが小規模案件の面白さであり、やりがいと言えよう。 この記事は、現役マーケター、ウェブコンサルタントからしたら読んでもつまらないはずである。「ご飯を食べるとお腹がいっぱいになる」程度の超基礎的な前提についてしか書いていないからである。そしてクライアント側から読んで、なるほど、と思ったら今契約しているコンサルタントとの関係性や方向性を振り返っていただければと思う。

ウェブマーケティングが独立した概念で終わることがそもそも無理筋である

「私の仕事はウェブマーケティングです、だから経営や流通、販売方針や戦略のマーケティングはさっぱりわかりませんし、やるつもりもありません」というのは、小規模案件において通用しない。通用しないというか、やらないとウェブマーケティング領域での成果を最大化できない。全部繋がっている、という認識を持たなければ、「やってる感」で終わってしまう。クライアント側がきちんとマーケティングできる自走力を持っていて、それに付随する形でウェブマーケティングを引き受けるということであればその領域だけ専念することもできるだろうが、ベンチャーやスタートアップ企業でもなければなかなかそのような場面には出会わないだろうと思う。 それに、SEM(検索エンジンマーケティング)に取り組む以上、取り扱う事業についての十分な理解が必須だろう。クライアント企業からそのあたりについて明確な情報共有がなされなければマーケティング思考の重要性を理解していただき、一緒にSWOT分析だのSTP分析だのをやるところから始めることになるのが自然ではないだろうか。 それが理解できない、そして対応できないウェブマーケターなんて、はっきりいってインチキと言われても文句は言えないし、実際ゴロゴロいる。我々の目指すべきはクライアントを儲けさせて、(間接的にせよ)クライアントの事業を成長させることである。 繰り返すが、根幹としてのマーケティング戦略があって、それにウェブマーケティングが付随しているという関係性をもって取り掛かるようにしたい。大抵の目的はクライアント企業の業績改善だからだ。

商品開発や価格設定なども関わらざるを得なくなる

根幹としてのマーケティング戦略に立ち返って色々詰めていくと、販売方針、商品開発に関するマーケティング業務なども付随してくる。これらを効果的に動かすために、ECサイトの販売データ、アクセス解析、SNS運用などから得られる統計資料や競合分析が必須になる。 こうやってデータを集めて提供し、意思決定プロセスに貢献する必要がある。漫然と今月のPVがこうでした、CVRがこうでした、という報告だけしていても見えてこない領域がある。PVが前月比+20%でした、よかったね、なんてことが「目的」になっているウェブコンサルタントはいらない。そもそも、クライアント側にとっての情報ニーズを理解し、周辺状況を把握し、向かうべき方向を共有できていなければ適切なデータ提供に繋がらない。逆に言えば、クライアントの目的のセンターピンを押さえられる重要な指標を共有できていれば良いのだ。あなたのコンサルタントは「じゃあその指標とはなにか?」を一緒に考えてくれるだろうか。 そのうえで、ECを例に挙げると集まったデータを元に売れ筋商品の拡張や、撤退ラインの設定、イノベーター理論上でのポジション把握など基本的なマーケティングの領域でも知見を述べたり担当者と連携して実務を担当したり、ということになるのが自然なのである。 しつこいようだが、たいてい事業本体のマーケティング業務にも関わらなければならないのはクライアントの目的は業績の向上であり、コンサルタントの目的はクライアントの信頼獲得による契約継続であり、ウェブから得られる情報が必要だからだ。これが繋がっていてこその「ウェブマーケティング」、とも言える。 この時点で、サクラを動員するようなインチキウェブマーケティング会社では全くついてこれない領域である。そして、まともなウェブマーケターなら「何普通のことを偉そうに書いてるの」と思うはずなのである。

現場に立って体験、体感し、当事者意識を高めているか

業種によって限界はあると思うが、中小企業マーケティングのいいところは現場が近いことにある。案件を引き受けたら、そこの商品やサービスを体験し、クライアント企業の顧客と関係性を作り、自らの当事者性を高めることで状況把握の解像度が上がる。 困りごとは何か?強みは何か?これらを把握することはマーケティングの基本だし、それらはそのままSEMに応用できる。こういう記事を書くとPV獲得できるのではないか、SNSで反響を得られるのではないか、それなら、その先にどんなキャンペーンを用意しようか…。そんな仮説と行動につながる大きな要素となる。 そういえば最近話題の「女子大生 オナホを売る」という本によると、著者が女性であるため男性向け商品の使用感を理解することがそもそも不可能だ。それで男性にヒアリングしたり、実況中継させて情報収集したそうだ。自分が当事者になれない案件ならそこまで徹底すべきだ、という好例だが、それにしてもすごいなあ。。。 なんにしても、理解を深める、見えない問題点を把握する、そのために当事者性を高めて没入したり、逆に俯瞰してみたり、そういう作業は必要だし、それがウェブ上での成果にも業務全体の成果にも繋がっていく。このあたりも総力戦と言える。

そもそもクライアント企業の前提知識とデータが不足しているか一部欠けているからいろんな付随業務を一緒に取り組まざるを得ないものである

衝撃の例だと、原価率を把握していないとかw 例えばグーグル広告を配信して地域の潜在ニーズを喚起しよう、みたいな打ち手を提案するとする。ではその予算はどうやって決めるべきか、となるわけだが、CVR(コンバージョンレート…一人の目的達成かかるコスト)の許容値を設定できなければ、どのくらいの予算規模が適切かわからない。 ここで知識不足か悪徳なコンサルタントや代理店だと釣り上げにかかるチャンスであるwこの長文をここまでお読みいただけた皆さんはそのペースに巻き込まれてはならない。 まっとうな業者であれば、原価、粗利、予想される結果などを勘案し、適切な予算を見積もるものである。ところが零細クライアント企業によってはその判断基準を持たないか、原価の計算を誤っていたり、実際と違っていたりするかもしれない。流石にそれを計算するところまでは付き合わないけれども、そのへんの基礎データはちゃんと作っておきましょうよ、そらでおおよその数字を言えるくらいに認識を持ちましょうよ、と促さなければならないケースもある。あるのだ。あるんですよ。マジか。 そんな事例では、まず前提として必要な資料と知識づくりと、そして意識を変えていく必要があって、これはもはや教育領域の仕事になる。 遠回りに見えてもこのプロセスは必要だし、これをきちんとやりきればクライアントの信頼関係は非常に強固なものとなる。集客施策にどれくらいの予算を使うのが妥当か、というような事前評価ができるようになると、非常に前向きな意思決定ができるようになる。 本当に事業の改善、売上の向上を目標にしているが、どうしていいかわからない、という企業の問題に寄り添うためにはここも一緒に走らなければならないのだ。うーん、総力戦である。

その辺を本当にガチるなら、中小企業診断士のような経営のエキスパートもチームに加わって頂く必要があるけどね

予算の関係で難しいかもしれないが、正直そう思うことは少なくないし、それなりにチームで動いている企業は数人の外部人材やコンサルタントにそれぞれの得意分野における助言や実務をアウトソーシングしていたりする。賢いなあ。 で、私は色々雑用も含めてクライアントの苦手領域を補佐する感じになっていたりします。チラシ作ったり、イベント主催したり、関係業者に挨拶しに行ったり…。

総力戦で深く関わり企業文化づくりに貢献することでウェブ上の指標も改善していく

ウェブマーケティングといって小技のSEOやったりSEMやったりMEOやったりするのはいわば対症療法。基礎体力や病気を治すための基礎知識がなければ症状は繰り返すわけで、インスタントに問題が解決するものではないという実感は経験を積むごとにますます増している。 ボタンの色を変えました、とか、見出しのキーワードを変えました、みたいな話はほんの表層、表層のツラのツラである。そこを軽視して良いという話ではないが、それをいじって数値が微増したところで満足していてよいのか。 施策に移る前に計画。計画の前に前提知識と情報。いい加減しつこいが、普通に考えればその事業にしっかり没入して理解を深めるのが大前提だと考える。中小企業では何人も外部から専門家を集めるのは簡単ではないため、結局色々と手伝わなければならなくなるのだが、その結果として数年後には企業体質も変わり、状況は改善し、ウェブ上でのパフォーマンスも変わっていくという経験をした。 大変だけど、毎回違う刺激があって面白いものだと思う。
※この記事はnoteより転載しました

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